《家族の友人》
《家族の友人》(パオロ・ソレンティーノ)を見た(イタリア映画祭2007)。
ソレンティーノ監督は一昨年イタリア映画祭2005では《愛の果てへの旅》というスタイリッシュな、独特の雰囲気の映画を作り上げていた。マフィアの運び屋をこととし、ホテル住まいを何十年も続ける謎の男をトニ・セリヴィッロが渋く演じ、そのホテルの従業員をアンナ・マニャーニの孫娘オリヴィア・マニャーニが演じていた。彼女も、若くて綺麗というだけではまったくなく、映画の中でも、映画祭での挨拶でも、独特の存在感のある女優であった。
今回の《家族の友人》でも、パオロ・ソレンティーノは俳優の起用が巧みである。主人公で高利貸しのジェレミア役のジャーコモ・リッツォ(今回、来日し、舞台で挨拶した)は、喜劇役者として50本以上に出演、今回初めてシリアスな役柄に挑戦したのである。
小柄で、老いた母親と二人暮らし、けちで高利貸しだが、自分ではそれが善行だと思い込んでいる。ジェレミアが世にも美しい花嫁(ラウラ・キアッティ)の親に金を貸したところ、彼は花嫁に恋をする。ベロッキオの《結婚演出家》でもそうであったが、花嫁への横恋慕は現代のように性が開放的になっても、禁断の愛の性格が強く、刺激的だ。
ジェレミアには、ジーノというテネシー暮らしにあこがれる友人がいる(ファブリツィオ・ベンティヴォリオ)。ベンティヴォリオは不思議な役者で役柄ごとに顔がまったく別の人間に見える。
ジェレミアは恋に落ちたところから、人間的弱みをみせていく。おぞましい奴だが、人間味も持ち合わせた登場人物である。
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