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2007年4月17日 (火)

プローディ首相講演会

Prodi_tokioプローディ首相が東京大学で講演をした。

演題は、「イタリアと日本ー両国の魅力、そして共通問題への挑戦」というものだった。

現職の首相だけあって、警備が厳重である。予約の段階から、返信で聴講を許可するメールに番号が打ってあり、それをプリントアウトしたものを持参する。カバンの中は開けて見せる。

東大のK総長が、首相に先立って挨拶をした。残念なことに、ブローディ首相と何度も発音していたが、プローディです。

首相の講演は比較的短かった。両国が地理的には離れているが、共通点も多いといったことを、7つほどのポイントをあげて説明し、グローバル化に協力して対処していきましょう、といった話だった。

また、EU委員長を務めた経験から、ヨーロッパ統合の歩みは、問題を抱えつつも、不可逆的な(irreversibile) プロセスなのだと強調していた。共通通貨を導入するのに50年かかったのだから、共通外交政策が出来るのにはあと何年かかるか判らないとも述べた。

21世紀はアジアの世紀で、この地域が科学やテクノロジーの成果を吸収していくとの見通しも示した。

その後、質疑応答に応じた。質問者は3人。

一人目は東大の学生。どうしてイタリアからの頭脳流出が多いのか。プローディは当惑して、これはきつい質問(domanda terribile)だと述べ、対策として、若い研究者にインセンティヴを与え、機会を与えるようにし、給与も高くすると答えた。

二人目は私。ベニアミーノ・アンドレアッタが数日前に亡くなったが、あなたとアンドレアッタはどのように協力してウリーヴォ(オリーブの木)を作ったのか、と尋ねた。首相は、答えた。何度も何度もおしゃべりをして作った。冷戦下で左右に分断した政治を清算し、イタリアを革新したいと望む勢力を結集しようと考えて結成した。

三人目は、慶応大学の学生。日本がアフリカを支援する場合、イタリアは日本にこうして欲しいという希望があるか。首相の答え。アフリカの指導者と会うと中国のことばかりが話題に出る。実際は、ヨーロッパや日本の支援額の方が大きいのにその話題にはならない。これは、ヨーロッパ諸国の支援が各国バラバラのためで、それに対し、中国は自国の戦略にもとづいて大変よくプログラムされている。だから、日本とイタリアも歩調を合わせて援助活動をしていきましょう。

プローディ首相は、実際に間近で見ても、テレビでみる時と同様に、比較的地味で、落ち着いた感じで、声を荒げることはなく、静かに語りかける。はったりをかますようなところはなく、その分カリスマにおいては他の政治家に見劣りがするかもしれないが、その言葉に信頼のおける人と見えた。講演会の最後に、ポンペイの発掘に携わる青柳教授からイタリア語で書かれたポンペイの本を贈呈されると本当に嬉しそうな会心の笑みがもれた。政治家プローディでなくて、インテリ、大学教授のプローディの表情であった。

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