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2007年2月 9日 (金)

イタリア文化会館の色論争再び

Italia2 東京で、イタリア文化会館の色をめぐる論争に再び火がついた(コリエレ・デッラ・セーラ、2月3日)。

読売新聞グループ本社会長で80歳を越えた渡辺恒雄氏は、ジャパン・プレス・クラブでのマッシモ・ダレーマ外相の会見で、イタリア文化会館の赤い色が、靖国神社の近くの聖域にふさわしくないという趣旨の発言をした。

これに対するダレーマ大臣の回答は次の通り。

「個人的見解だが、あの建物はとても美しい。私はガエ・アウレンティ(イタリア文化会館の建築家)を尊敬しています。あのプロジェクトは、法にのっとって行われました。住民の訴えはじっくりと検討しましょう」

「しかしイタリアには、著作権法があります。偉大な建築家の設計した建物は、絵画のようなものなのです。政府が勝手に色を変えることはできません。建築家と合意した解決法が必要です・・・」

こうした論争に対し、79歳の女性建築家のガエ・アウレンティは、ミラノから返答した。

「私は、10月に一週間、東京に行きました。渡辺氏ともイタリア大使館で会いました。彼は(赤い)反射のことを指摘しましたし、都市景観法のことも考えるように求めましたが、この法律は、建物が出来てから実施されたのです」

「私は、いくつかの階に植物の緑を付け加えるよう提案したのですが、建設会社が受け入れなかったのです」

「赤い色は変えません。漆の赤は、わざわざ日本人のために選んだのです。それに変更するとしたら、誰が費用を負担するのですか?」

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コメント

 panterinoさん、こんにちは。(^_^)

 つねにミーハーを自認する私は、前に東京に出た折、わざわざ九段まで足を運び、問題の建物を向かいの歩道からしばらく観察し、何枚かの写真に収めました。

 昨日また、東京へ行ったので、今度は入館し、詳しく観察しました。その結果、あの色は内部のイタリア語教室その他の内壁、教室のドアなどに一貫して使われていることが分かりました。たまたま、トイレに入ってみたところ、そこのドアは裏も表もあの色に塗られていました。

 設計者のAulentiさんは、報道によると世界のいろいろな国で数々の実績を上げておられ、建築だけでなく、照明器具までデザインをされる有名人のようですが、彼女自身に、あの色に対するこだわりがあったとしか考えられません。(漆の赤だそうですが、本人にも日本人にはこれしかない、という強い思い込みがあったような…)

 戸外へ出て、再び文化会館のファッサードを眺め直してみましたが、あの建物は靖国神社とはチョッと離れていますし、肩を並べる三つ四つのビル群もそれぞれに違う色で、とりわけその赤が周囲の均衡を破っているようには思えませんでした。

 通行人についても、驚いて足を止める人もなく、大した反応も見受けられませんでした。

 ただ、壁を塗り替える必要はなくとも、赤の反射の影響があるとすれば、その住民に対してだけは、何らかの補償ないしは、措置が必要なのではないでしょうか?

 面白いことに、教室のある二階の壁には、事件を報じるイタリア語の記事のコピーが、いまだに二枚貼ったままでした。億万長者、ダレマに噛み付くといったような見出しがついていたような気がします。(^_-)-☆

投稿: 唐辛子 紋次郎 | 2007年2月20日 (火) 16時01分

唐辛子 紋次郎さん

詳しいレポートありがとうございました。
なるほど、あの建物の教室や内壁にもあの赤が用いられているのですね。

僕も、何度かあの建物には行きましたが、見慣れたのか、もしかすると塗りたてから少しは色が変化したのか、周りのビルと比較して、強い違和感を感じることはありません。まあ、イタリア人が鳥居の色を受け止め、自己表現すると、こう変容するのかと感心したり、あきれたりすればよいのではないかと、個人的には思うのです。

むしろ、日本的なものに触発されて、Aulenti がこういう作品を作ったのだということを日本人として誇りに思っても、おかしくないかもしれません。

もともと、東京の町並みはフィレンツェやシエナの町並みとは異なり、一色というか、一つの傾向にまとめられていませんものね。

近隣の人・ビルの使用者へ、赤の反射の迷惑はどれくらいあるのか僕は詳細を知らないのですが、程度によっては、何らかの補償なり、措置が必要なのかもしれませんね。
そういった場合の迷惑の度合いも、かなり主観的な要素が強くなりそうな気がしますが・・・

投稿: panterino | 2007年2月20日 (火) 18時25分

 panterino さん、みなさん、こんばんは。(^_^)

 考えてみりゃ、イタリアの国旗と日本の国旗の共通点は「アカ」ですもんね。彼女、そこへ目をつけたんじゃないんですか?かなり単純な発想ですが、まず無難ということで……。(^_^)

 ところで、あの文化会館体験は面白かったです。教室にはみな名前が付いているんですが、それがみんなイタリアの有名作家の名なんですね。たとえば、Cesare Pavese の隣が、Elsa Moranteだったり。一回りすると、ケッコウ愉しめます。

 私は大昔、やはりこの会館へ入ったことがあるんですが、むかしは冴えないビルでしたね。今この(赤ではありません)垢抜けのした建物を前にすると、実に隔世の感があります。(@_@;)

 広々とした、もったいないような空間には、はやらないデパートのように、どこを見てもひとの姿が殆どみえません。とはいうものの、室内は、なかなか洒落ているのです。

 またトイレの話で恐縮ですが、栓をひねると、大抵の人はまずビックリするのではないでしょうか?なんと、蛇口からは、vermicelliの束が飛び出すのですから。というと、チョッと大げさになりますが、一本の太い水でなく、か細い水の束が飛び出してくるのですから。

 でも、そのあと、しばらくして、う~ん、さすが「イタリア文化」会館は、ほかとはチョッと違うわいと、素直に感心しました。(^_-)-☆ ではまた。

投稿: 唐辛子 紋次郎 | 2007年2月20日 (火) 23時45分

唐辛子 紋次郎さん

なるほど、国旗の共通色ですか。気が付きませんでした。

部屋の名前に作家の名前!通りの名前はもちろんのこと、空港も、ダ・ヴィンチ(ローマ)とかクリストーフォロ・コロンボ(ジェノヴァ)という有名人の名前が付いてますね。
語学を習う部屋だから、作家名がふさわしいのでしょうかね。

僕は、実は、前のイタリア文化会館も、つたの絡まる建物と、離れのような図書館の建物が案外好きでした。

今の建物は、一階のエントランスで展覧会を開いてくれる(無料のこともよくある)のがいいですね。地下のアニェッリホールも大変立派なものですし。

投稿: panterino | 2007年2月21日 (水) 23時17分

panterinoさん、みなさん、こんばんは。お目ざわりでしょうが、きょうは、チョッと驚かされたことがあったので、また、書き込みました。

実はきょう、駅のポスターを見ていて、ハッとしました。というのは、当地S市にある国立博物館の主催で、来月東京(千代田区丸の内「東商ホール」)で、『日本の漆と日本の歴史』が催され、その説明に、「日本の漆文化は、9千年以上前に始まります」。また、「中国よりも2千年以上古い」という言葉が並んでいたのです。

 ここで壁の話に戻りますが、例のAulentiさんが、もし、そこまでご存知の上で、あの漆の色を選んでいたとすれば、私は文句なしに彼女に対し脱帽し、深々と頭を下げるのに吝かではありません。(@_@;) 
では。

投稿: 唐辛子 紋次郎 | 2007年2月22日 (木) 17時57分

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