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2007年2月 8日 (木)

ベアトリーチェ・マジーニ『ドロドロ戦争』

Dorodoro ベアトリーチェ・マジーニ(作)・長野徹(訳)・アドリアーノ・ゴン(絵)『ドロドロ戦争』(汐文社)を読んだ。

「イタリアからのおくりものー5つのちいさなファンタジア」というシリーズの一冊。シリーズ名からも判るように、ファンタジーの要素がある。

男の子3人とステッラという女の子は、秘密の隠れ家を持っている。そこへ不思議な生き物ドロドロが現れ、子供たちも地上から地中の世界へ引き込まれて、脱出できなくなる。

少年・少女と異界の生物の交流が起こるのだが、そこにホームレスの男が加わる。得体が知れないが、悪い男ではなさそう。

しかしこのドロドロという生き物を、ゴミ処理場でこきつかって、金儲けをしているプジンという企業家がいる。この少年・少女たちと、ドロドロという生き物と、プジンという企業家の三つどもえで、話は展開する。

プジンには、子供時代にドロドロを恐れていたという過去がある。

ファンタジーなのだが、エコロジー、企業活動も入ってきて、子供は、不思議な生き物との冒険譚をたどりつつ、ゴミ問題や都市開発、それをめぐる利権みたいなものについても考えることになる仕組みである。

作者のベアトリーチェ・マジーニは、作家になる前には、日刊紙 Il Giornale などでジャーナリストとして働いた経歴を持つと知ると、そういった構成にも納得がいくかもしれない。

意外なところで、ヴェルディのオペラ『イル・トロヴァトーレ』に似ている、という感想を持った。 作者が意識しているかどうかは不明だが。

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