バリッコ翻案の『魔笛』にブー
作家アレッサンドロ・バリッコが翻案した『魔笛』に、非難の口笛やブーが続出した(コリエレ・デッラ・セーラ、12月14日)。
トリノのテアトロ・レージョで、幕が降りると、最初にフットライトを浴びたのは歌手で、拍手を浴びた。次は、指揮者のファビオ・ビオンディで、拍手の中に不満の声も混じっていた。
しかしその後で、演出や舞台装置、衣装の番になると、非難の口笛やブー、野次が飛んだ。
通常は、穏やかなレージョの観客が今回は、抑制がなかった。明らかにブーや口笛の標的は、バリッコだった。
バリッコは『魔笛』の台本を書き変えて、散文にした。その日の舞台にはバリッコは不在であったが、演出、舞台監督、衣装が非難を浴びた。
『魔笛』は歌芝居(Singsupiel) である。歌手が歌う部分と、散文で台詞を語る部分が交互に出てくる。その台詞の部分はさほど文学性に富んだものではなかったが、それをさらにバリッコは変えて、劇中劇にしてしまった。
主人公を『魔笛』を上演している町の劇場支配人と市長にしてしまったのだ。だから台詞のほとんどは、この新たに創られたキャラクターによって語られるのである。
また、台詞もテレビの言葉遣いで、わざと「低俗」で、若者向けのジョークもあったが、ゲネプロでは受けていたが、本番では誰も笑わなかった。
イタリア文学者のジュリオ・フェッローニも手厳しい。「モーツァルトの作品を書き直すのは、イリアーデを、神々の部分を取り去って書き直すのとあまり違わないだろう」。
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