« 『怠け者』 | トップページ | ミラノのアラブ学校、再開 »

2006年11月10日 (金)

誰がカルドゥッチを殺したか

Carducci カルドゥッチは殺された、と言っても物理的にではなく、精神的にである。その復権をめざしてアルド・A・モーラが Giosue Carducci, scrittore, politico, massone (Bompiani, 12,50ユーロ)を出版した (コリエレ・デッラ・セーラ、11月2日)。

カルドゥッチが、100年前にノーベル賞を取り、その数ヶ月後に亡くなった後、誰が彼を「殺した」のか。その責任は、文学者たちにあると、モーラは言う。

まず、弟子のパスコリ。パスコリは、卒論も、ボローニャ大への就職もカルドゥッチに負うていたにもかかわらず、彼を無視する方向に貢献してしまった。

ダンヌンツィオは、自分だけが「国民詩人」(poeta vate) でいたいと願った。

それだけではなく、モーラによれば、カルドゥッチが文学者として軽視されるようになったのは、政治的な関わりのためだという。彼は、統一なったばかりの新生イタリアのために、教育的意図を持った詩、すべての人にわかりやすい詩を書いたのだ。

それゆえ、政治家ジョリッティからは、ガリバルディやヴィットリオ・エマヌエーレ2世と並べて賞賛されている。つまり、イタリア国民のアイデンティティ形成に寄与した詩人という評価が与えられているのだ。

彼は一方では、既成の態勢に反逆し、宗教的ではあったが、カトリック教会に背を向け、一方で、フリーメーソンではあったが、無神論者ではなかった。

離婚に関して進歩主義的見解を持っており、女性解放論者であったが、社会主義者ではなかった。

ジョルジョ・デ・リエンツォによれば、19世紀、20世紀の詩人は病的である者が大勢いるなかで、唯一、健康的な詩人、光を夏を歌う、健康で強い女性を讃える詩人であったという。

もちろん、彼の人生には不幸もあり、我が子を幼くして失った悲しみを歌った詩 "Pianto antico" も名高い。

|

« 『怠け者』 | トップページ | ミラノのアラブ学校、再開 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/144339/12626704

この記事へのトラックバック一覧です: 誰がカルドゥッチを殺したか:

« 『怠け者』 | トップページ | ミラノのアラブ学校、再開 »