『アマチェム星のセーメ』
ロベルト・ピウミーニ作長野徹訳オクタヴィア・モナコ絵『アマチェム星のセーメ』(汐文社、1500円)を読んだ。
アマチェム星人は、毛が生えず、頭に赤い雲をのせている。アマチェム人同士が、話をしたり、遊んだりするときは、雲をまぜあわせ、大きな赤い雲にする。
この星で単性生殖によって生まれたセーメは、自由を求めて宇宙を旅する。
ここからの枠組みは、明らかに、『星の王子さま』に似ている。
実にいろいろな星がある。中には、安部公房を思わせる病院だけの星もある。スウィフトの『ガリヴァー旅行記』の飛ぶ島を思い出させる不条理な星も一つや二つではない。
出会いもある。
これ以上はあらすじを書かないことにするが、オクタヴィア・モナコの絵は素晴らしい。このファンタスティコな世界に照応した、シュールでありながら、親しみのもてる、暖かさの伝わってくる挿絵だ。
登場人物が絡み合って、対立したり発展したりするドラマはない。それは『星の王子様』と同じである。
しかし、地球の常識からはかけ離れた星々をめぐるうちに、セーメという主人公は成長し、自らを見出していく。
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