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2006年10月20日 (金)

『イタリアの映画監督』

Registi_ditalia バルバラ・パロンベッリの『イタリアの映画監督』(Rizzoli, 213ページ、16,50ユーロ)が出版された(コリエレ・デッラ・セーラ、10月15日)。

ネオレアリズモから今日にいたるまで、38のインタビューを集めたもので、コリエレ・デッラ・セーラ紙に掲載されたものがまとめられた。

インタビューは38人だが、監督は実は36人で、スーゾ・チェッキ・ダミーコは《すべてのイタリア映画の母》なのだが、自分で監督をしたものはない。

また、ナンニ・モレッティは沈黙していて、彼の代わりに彼をよく知る人が語っている。

これらのインタビューを貫くテーマは、4世代、5世代にわたる映画人が経験してきた映画と政治の関係である。

古参では、ディーノ・リージ、マリオ・モニチェッリ、スーゾ・チェッキ・ダミーコ、リッツァーニがおり若手はガブリエーレ・ムッチーニやファウスト・ブリッツィまで。 

出発点は、自明の公理、イタリアで映画を創るのはつねに左翼的なことだ、ということである。しかしながら、チェッキ・ダミーコは、「私は、共産党員は二人しかしらない、ヴィスコンティとルイジ・ザンパだ」と語っている。

リッツァーニは、新聞の報道で共産党員とされていた監督は、デ・シーカ、モニチェッリ、ジェルミ、ラットゥアーダ、フェッリーニとロッセリーニだという。しかし、彼らは規律やマルクス主義のイデオロギーにはアレルギーを持っていた。

リッツァーニによれば、共産党は検閲や教会からの攻撃からは、映画監督を守ってくれたが、時には、フロレスターノ・ヴァンチーニ監督の 《愛の季節》(インテリの共産党員の危機の物語)のように、党員の仲間から非難を受けたものもある。ベルナルド・ベルトルッチの場合、《1900年》の第二部が、エミリア地方でのパルティザンの復讐行為に言及していたため、同様に非難をあびた。

現在の映画監督が嘆いていること。かつて、イタリア映画の黄金時代には、台本作家、監督、役者がすべて一緒にいた。今日、それぞれが、孤立している。サルヴァトーレス監督によれば、マルコ・トゥッリオ・ジョルダーナ監督は、40代、50代の人々に、関連するアーティストの連盟を作ろうと提案しているという。

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コメント

ご無沙汰しています。
記事をTBさせて頂きましたので、よろしくお願いいたします。
「映画と政治の関係」というのが、二十世紀後半のイタリア映画史を語る上で避けて通れないことなのでしょうね。
ローマ・カトリックや検閲という、日本にはあまり伝わってこなかった問題もあったようですし。

投稿: なつ | 2006年10月20日 (金) 23時44分

連投すみません。↑TBダブってしまいました。

投稿: なつ | 2006年10月20日 (金) 23時48分

そうですね。カトリックと検閲に関して、もっとも端的にわからせてくれたのが、《ニュー・シネマ・パラダイス》でしたね。
戦後、教会が映画上映の場所を提供したこともあったでしょうし、ラブシーンがカットされたこともあったのでしょう。
もっと上のレベルでも、ヴァティカンがこの映画はけしからんと言えば、すぐさまそれは報道されたはず(今でも聖書を扱った映画では、ヴァティカンの高位聖職者の意見が報道されます)ですから、関係者はその意向に従ったかどうかはともかくとして、気になったと思います。

政治的勢力ということで言えば、文化一般に関して、戦後はファシズムへの反発から、左派の力が相当強かったのだと思われます。
ただし、映画人は個性的ですから、その思想も金太郎飴のはずはなく、それぞれの考え、表現が出るわけですね。

投稿: panterino | 2006年10月21日 (土) 00時37分

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まいどイタリアの情報を頂いているBlog「イタリアに好奇心」さまから、記事お持ち帰りさせていただきました。 『イタリアの映画監督』 イタリアの映画監督を中心に、イタリアの映画人のインタビューを集めた新刊本だそうですが、ディーノ・リージ、マリオ・モニチェッリ、スーゾ・チェッキ・ダミーコという人選が、思いっきり私のツボです!というか、イタリア戦後映画史の生ける証人ですね。... [続きを読む]

受信: 2006年10月20日 (金) 23時32分

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