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2006年7月13日 (木)

パゾリーニの『カンタベリー物語』

Canterbury_1 Canterbury2 パゾリーニ

三人の右端がニネット・ダヴォリ

ニネット・ダヴォリが、パゾリーニの映画『カンタベリー物語』(1972)について語った(コリエレ・デッラ・セーラ、7月3日)。

パゾリーニの『生の三部作』の第二作となった『カンタベリー物語』は、先行する『デカメロン』と後に続く『千一夜物語』の間で、1971年に撮影され、1972年に公開され、ベルリン映画祭の金熊賞を受賞した。

ボローニャで、この作品についての再検討が開始された。まず第一の問題は、何故、パゾリーニは、140分の映画を110分にカットしたのか?

「再発見された映画」と題されたこの催しでは、個人的な理由と、映画的な仮説を混ぜ合わせて説き明かそうとしている。パゾリーニ自身は自分の病的状態をあげている。「『カンタベリー』を撮ったとき、僕はとても、とても、とても不幸だった。無頓着、夢、喜劇性から生まれた三部作にふさわしくない状態だった」

この大きな不幸の理由は、パゾリーニが友人ヴォルポーニに告白しているところでは、ニネット・ダヴォリとの関係の終焉だった。9年間に渡る親密さの後のことだった。

パゾリーニは、ダヴォリの側にいる女性がよくいる女友達ではなくて、もっと真剣な関係のものであることを理解し、危機に陥った。危機に陥ったパゾリーニは、自作の映画まで引きずっていってしまったのである。

カンタベリー物語のなかのトパス卿のエピソードは、イギリスとエトナ山の山裾で撮影を終え、編集もしたのだが、最終的にカットされてしまったのだという。

その結果、この映画は、もっと愉快で、笑いに満ちたものになるはずだったのだが、30分間が、明確な理由が示されないままに、破棄されてしまったのである。

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コメント

よく考えてみると、イタリア人監督の映画ってけっこう日本にも入って来ているんですね。
すこし古めの人しか私は思い当たらないのですが、
若手監督でも頑張っている人はいるんでしょうね。

最近の映画人でイタリア人・・というと、まずロベルト・ベニーニが思い当たります。
今年のベルリン映画祭でも、いや〜もう〜というくらいに、ばりばりベニーニでした。
真っ赤なマフラーをしていたのですが、それを、顔の横に垂らして舞台の緞帳に見立て、顔を出してパフォーマンスしたり。
映画の評価は低かったですが。
ジム・ジャームッシュ監督作品、『カフェ&シガレッツ』に出演してた時はイタリアアクセントの強い英語で、かわいらしかったです。

投稿: kio | 2006年7月13日 (木) 20時51分

現役のイタリア人監督では、ロベルト・ベニーニとナンニ・モレッティが日本でも知名度は高いでしょうね。

それ以外では、5月の連休のイタリア映画祭(有楽町・朝日ホール)の影響もあって、「輝ける青春」や「13歳の夏に僕は生まれた」のマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督、「ぼくは怖くない」「エーゲ海の天使」のガブリエーレ・サルヴァトーレス監督、「いつか来た道」「家の鍵」のジャンニ・アメリオ監督などはイタリア映画ファンには知られた存在となりつつあるように思えます。

世代はちょっと上ですが、「ポケットの中の握り拳」のマルコ・ベロッキオ監督は、「乳母」、「母の微笑」、「夜よ、こんにちは」で再認識が進み、タヴィアーニ兄弟やエットレ・スコラなどは、かなりの本数が日本に紹介されていると思います。

投稿: panterino | 2006年7月14日 (金) 00時41分

色々ご紹介して下さってありがとうございます!

ベルリンでもamazonを使うと簡単なので、探してみますね!

投稿: kio | 2006年7月14日 (金) 19時34分

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