『1900年』から30年
ベルナルド・ベルトルッチ監督が、自作『1900年』を振り返った(コリエレ・デッラ・セーラ、7月2日)。
この作品は、1976年製作なので、今年30歳を迎えたことになる。ボローニャのチネテーカでベルトルッチは自作を語った。
この作品は、ジェラール・ドバルデュ扮するオルモ(小作人の子、共産党員)とデ・ニーロ演じる農場主(の子)が、1900年に時を同じくして生まれるところから、ファシズム、抵抗運動が描かれる。
準備に1年、撮影に1年、編集などのポストプロダクションに1年かかったという。2幕 (2 atti) にわかれ、5時間を越える大作である。
ベルトルッチは、当時パゾリーニが告発していた氾濫する消費主義に対する苦悩、恐怖を語ったつもりだったが、実際は、エミリア地方の農民文化の輝かしい抵抗を撮っていた、と語った。
この映画は、映画館では大成功をおさめたが、当時のイタリア共産党の大物たちの評価は分かれた。パイェッタは第一幕は気に入ったが、第二幕は嫌った。アメンドラは、全体をテレビでこき下ろした。ベルリングェルは沈黙を保った。問題になったのは、映画の最後の場面で、農場主が裁かれるところだという。
その時にこの映画を擁護したのは、左派の若者たちで、その一人が現在のローマ市長ヴェルトローニである。
ベルトルッチは、今この映画をとったら、幼児性愛者であるという非難を浴びたり、動物愛護者から責められるおそれがある、と述べた。
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コメント
panterinoさま、
『1900年』たいへん贔屓の映画です。批評のことはまったく知りませんでした。
滅多矢鱈と感激して繰り返し観ました。忘れ難い画面がいくつも。
最後はたしかに甘い、という批評も生まれることは致し方ない、かもしれません。
しかしーーこの作品でなにかが生まれた。潮の流れをかえた。
このような作品が日本を舞台に生まれてもいい筈です。そう感じさせるほど、傑作。
投稿: sutefare | 2008年9月17日 (水) 19時36分
sutefare さん
そうですね。イタリアでは、映画や小説はヒットするしないだけでなく、批評家からの厳しい眼にさらされていますね。
その批評のなかには、単に審美的なものの評価だけでなく、その作り手の歴史認識を、批評家の側が査定していくといった面もあったようです。特にミリタンテと呼ばれる、イデオロギー闘争の最前線で戦う批評家の場合、その色合いが濃いですね。
そういった情報は、日本には広く流れていたとは言い難いですし、僕も最近まで知りませんでした。
日本の場合は、そういった長いスパンの時の流れを扱ってきたのは「おはなはん」「おしん」のようなNHKの朝の連続ドラマかもしれませんね。
投稿: panterino | 2008年9月17日 (水) 23時04分