シエナの市長選
左がマウリツィオ・チェンニ
右がピエルルイージ・ピッチーニ
シエナの市長選は、現職で、左翼民主(党)、マルゲリータ党などが支持するチェンニが当選した(コリエレ・デッラ・セーラ、5月30日)。
5月28日、29日に実施された統一地方選挙で、多くの市長選が実施されたが、注目の選挙の一つがシエナ市長選であった。35,802票の重みは、通常の市長選挙と異なるのである。
シエナの選挙民の5年ごとの投票は、誰が市を統治するのかだけでなく、イタリア最大の銀行の一つ、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行の行方を左右することになるからだ。
市(コムーネ)は、銀行を支配する基金を通じて、最大株主であるからだ。おそらくは、こうしたこともあって、シエナの市長選は、つねに予想された結果、つまり、中道左派が勝利をおさめてきた。市長は、左翼民主(党)で、かつ、モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行の出身だった。
ところが今回は、挑戦者が元市長のピエルルイージ・ピッチーニだったから、緊張感があった。ピッチーニは、左翼民主(党)を出て、市民の4グループ(La Mongolfiera, Impegno per Siena, Progressisti per Siena, Libera Siena) を率いて、現職のマウリツィオ・チェエンニに挑んだわけである。
ところが、ふたを開けてみると(開票途中ではあるが)、チェンニが55,7%、ピッチーニが30,3%と、現職が圧倒的であった。中道右派の候補、アレッサンドロ・マンガネッリは、12,8%。
この結果をうけ、モンテパスキ銀行の基金のトップにはガブリエッロ・マンチーニ(マルゲリータ党)が就き、銀行の総裁には、ジュゼッペ・ムッサーリ(左翼民主)が就くことに変更もない。ムッサーリは、チェンニの同意を得れば、自由に銀行の戦略を決定できることになる。
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