ビンディ家庭大臣と事実婚
ロジー・ビンディ家庭大臣がコリエレ・デッラ・セーラ紙のインタビューに応じ、事実婚についての見解を明らかにした(コリエレ・デッラ・セーラ、5月21日)。
家庭大臣(ministro della Famiglia) というのは、無任所であるが、今般のプローディ政権によって新設されたポストである。
ロジー・ビンディは、教育相になるかと思われていたが、そちらは、フィオローニが就任し、ビンディは新設の大臣になった。
ビンディは「初めて、とうとうイタリアにも家庭のための大臣ができた。教会の考えを聞かねばならないと思うけれども、社会の変化や、家庭の様々な形を考慮にいれねばならないとも思う。つまり、私のカトリックとしての価値観と、多様な考え、多様な傾向への尊重を統合するということだ」と語った。
大臣として、ビンディは、事実婚(通常、coppia di fatto という言い方がなされるが、L’Unione は選挙公約の中では、unione civile という言い方をしている)に関して、単に私人としての権利を認めるだけでは不十分としている。
ここで整理しておくと、おおまかに事実婚と呼ばれるものに三通りある。
Pacs:Patti civili di solidarieta’ (連帯市民協約)。事実婚のカップルに対し、経済、税、社会保障に関する権利を付与する。
CCS: マルゲリータ党のリーダー、ルテッリが唱えるもので、contratti di convivenza (共同生活契約)といい、私人としての権利のみを認める。
unione civile: L'Unione は、Pacsという言い方は避けて、unione civile と呼んでいる。中身の詳細はこれから、ということになろう。
もっともビンディは、どこまでが私的権利で、どこまでが公的権利かという区別を厳密にするのは、不可能だという考えで、これから大いに議論しなければならないとしている。
また、ビンディは、国民投票で否定された人工授精に関す法律の改正については、、まったくこの法律が不可侵というわけではないし、大転換をするというわけでもない、と述べた。
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コメント
無任所大臣と普通の大臣はどう違うのでしょうか?
投稿: maru | 2006年5月25日 (木) 17時30分
普通の大臣は、省庁(役所)があって、予算があって、そこを所轄するわけですが、無任所大臣は、省庁が無いわけです。スタッフも少ないでしょうし、予算もどう確保するのかという問題があって、「軽い」大臣とみなされることもあるようです。
もっとも、家庭大臣があつかう事実婚についての場合、調査などは別の部署や外部に委託するとして、政策を練りあげることが仕事であって、新たに省庁を作る必要はないのでしょうね。
投稿: panterino | 2006年5月25日 (木) 23時08分
家庭大臣が自らすすんで事実婚をするところが進歩的。
日本も大臣や政治家が率先して事実婚をして事実婚が世界の常識であることを知らしめてほしい。
事実婚で損するようなことがないような法制度も整備してほしい。
投稿: morikana625morikana | 2023年8月18日 (金) 11時40分