《哀しみの日々》
《哀しみの日々》。2006年イタリア映画祭(有楽町朝日ホール)。
ロベルト・ファエンツァ監督。この作品はストーリーはシンプル。タイトルは I giorni dell'abbandono で棄てられた日々となり、映画の中身そのものである。
夫婦の間に突然(のように妻オルガには見える)亀裂が生じる。夫マルコは家を出て行ってしまう。そこで、妻オルガ(マルゲリータ・ブイ)の疑念、苛立ち、怒り、焦り、自暴自棄といった感情の嵐が丹念に描出されていく。
階下に住む音楽家ダミアンが伏線となる。
マルゲリータ・ブイは、《恋愛マニュアル》でも、この作品でも、倦怠期、夫婦の危機を演じている。40代半ばという年齢がその役柄に適役なのだろう。逆に言えば、そのあたりのイタリア人夫婦にこういった話がよく生じているということが推察される。
金銭的・物質的に豊かになった社会では、一夫一婦制のもとにある夫婦は簡単に危機を迎えうるのかもしれない。また、どちらの側にも、潜在的には第二、第三のチャンスがあるということでもある。
ブイ演じるオルガは、夫が去ってから、態度だけでなく言葉づかいが乱暴になっていく様が興味深い。
同時上映の短編 《サンテンハチジュウナナ》は、ある意味で、怖い映画だった。
このあとネタバレです。
タイトルは3,87(人)ということで、イタリアで一日に労働者の死ぬ人数なのである。映画で、描かれているのも、僕には社会的背景が読み切れない、不審な死の一つであった。
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