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2006年5月 8日 (月)

《二度目の結婚》

Photo_12 (写真は映画祭公式ホームページから)


《二度目の結婚》。イタリア映画祭2006(有楽町、朝日ホール)。

プーピ・アヴァーティ監督、2005年。アヴァーティ監督の映画は、《追憶の旅》(1983)では戦前の修学旅行を、《心は彼方に》(2002)では、1920年代のボローニャを描いていたが、今回は、第二次大戦後直後のボローニャとプーリアが舞台である。

ここからネタバレありです。

ボローニャでは、母息子が食料にも不自由する生活をしている。最初は、教会が避難所として使われているが、やがて追い出されて、貨車を家代わりにと斡旋されるが、そこへ、母リリアーナ(ソプラノ歌手のカーティア・リッチャレッリ)の義弟ジョルダーノ(アントニオ・アルバネーゼ)から手紙が来る。

実は、母が先に手紙を出したわけだが、プーリアに住む義弟は以前からリリアーナを恋い慕っていた。叔母たちの強い反対にもかかわらず、母息子を住まわせ、二人は婚約する。

直接的な言及ではないが、リリアーナは、亡き夫とこのプーリアの農村で知り合ったときに、奔放な異性関係を持ったことが示唆される。また、息子(ネーリ・マルコレ)が夫と似ていないというセリフもある。

ジョルダーノはあくまで人が良い。近隣の人は頭がおかしいと考えている。これをそのまま取ることも出来るし、一種のおとぎ話的要素として捉えることも出来ると思う。ジョルダーノにまつわる部分はおとぎ話的だが、その周辺の事情は、非常にリアルに描き込まれている。この二つの要素のコントラストが、アヴァーティ作品としては、ノスタルジアや回顧趣味一辺倒でなく、成功していると思う。

最後にリリアーナとジョルダーノが結婚するが、リリアーナは身体を許さず、二人の間には万里の長城が存在するから私がいいと言うまでは越えてはいけないというところと、そうとは知らぬ叔母たちが、新婚初夜、耳栓をしながら、部屋のそとで興味津々という面持ちでお祈りをつづける様は実に可笑しい。

叔母たちは、マリーザ・メルリーニとアンジェラ・ルーチェだが、実に効果的な演技をしていた。リアリティーを与え、かつ、観客をにんまりさせる、抑圧のなかから透けて見える情熱、嫉妬、敵意というものを見せてくれた。叔母たちがリアルであるからこそ、ジョルダーノの善良な無垢が引き立つことは言うまでもない。

同時上映の短編映画 は《グアラチーノ》 。ミケランジェロ・フォルナーロ監督、2004年。ナポリ方言で歌われる民謡にあわせて、おおむね歌詞の場面が、実写と粘土アニメを交錯させ描かれる。ただし、主人公は、魚で恋する相手はイワシ、その愛と嫉妬の物語。まったく独特の味わいをもつ短編。

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