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2006年4月 3日 (月)

ベルルスコーニ、中国に大暴言

ベルルスコーニ首相は、ある本からの引用で、中国が毛沢東の時代に「子供を煮て、畑の肥料にした」という発言をし、中国は根拠のない主張として、激しく反発している(コリエレ・デッラ・セーラ、3月29日)。

ベルルスコーニが引用したのは、Il libro nero del comunismo (共産主義黒書)(Mondadori)という共産主義体制の暗部を暴きたてた本で、毛沢東の時代に子供を煮て、肥料にしたという一節は、たしかに、その本の460頁にある。

中国外務省は、苛立ちを隠さず、根拠のない主張であり、両国間の友好関係をややこしいものにする、としている。

今年は中国におけるイタリア年であるというから、このタイミングは最悪のものと言えるかもしれないが、首相の側は、論争をしかけるつもりは全然ない、としている。

この一節は、毛沢東のもとでの大躍進政策が、意図とは逆に大失敗に終わり、多くの餓死者(2000万人以上とも言われるが、正確な数字は不明)を出した時期の記述である。

学者たちの多くは、それゆえ、首相がありもしないことを言ったというのではなくて、こうしたエピソードを政治目的で語ったことを非難している。

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コメント

Il libro neroなんとかかんとかというタイトルの本は山ほど出ていますが、そのほぼすべてがインチキ本だと思いますね。

Mondadoriもイタリアの出版社の大手のひとつですが、ペーパーバックのベストセラー狙い本か、他社が出した本の焼き直しみたいなものばかり出しているところです。アカデミックな本は出さない。

駅のキオスクに並んでいるようなペーパーバックの本から引用して発言したのですから、ベルルスコーニという人も相当常識のない政治家ですな。中国の反発は当然でしょう。

大躍進政策時代の中国の惨状に関しては、信頼に値する(イタリア語で読める)研究がたくさんあると思いますが。

投稿: Shibano | 2006年4月 4日 (火) 09時26分

なるほど。この本たしかに、フランス語からの翻訳です。共産主義体制のもとでの犠牲者がいかに多かったか(この本によると8500万人)ということを強調する本で、挑発的であり、イタリアの各紙の書評で取り上げられ(もちろん、否定的な評価も含め)話題になった本だと思います。
コリエレ・デッラ・セーラに紹介されている学者たちの意見としては、大躍進時代には、餓死者が出たことは認めるものの、この時期にこの部分だけ取り上げることを非難するものがほとんどだとのことです。一説によれば、死んだ子供を食べた人たちもいたのだが、自分の子供を食べるのは避けたということです。
日本の江戸時代の飢饉の時の絵を見ても、第二次大戦中の南方で飢餓状態に陥った人の話などでも、究極状態まで追いつめられた人が、平時には考えられない行動をすることは、どこの国でもありうることでしょう。極限状態に追いつめられてこれこれのことをした、というのを、あたかも○○人はこういう人種なのだと誤解を誘発する言い方でいうことは、許されるべきことではないと思いますし、まして、一国の首相がそう受け取られかねない発言をするのは信じがたい行為に思えます。

投稿: panterino | 2006年4月 5日 (水) 01時07分

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