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2006年3月 5日 (日)

イタリア南部銀行

イタリアに南部銀行(Banca del Sud)が出来る。財務相トレモンティの主導で出来るのだが、名誉総裁は、ブルボン家の末裔カルロ・ディ・ボルボーネである(コリエレ・デッラ・セーラ、2月28日)。

ブルボン王家(イタリア語ではボルボーネ)は、リソルジメントに至るまで南イタリアを支配した王家であるが、その経過がまとめてある。

18世紀初頭スペイン継承戦争が勃発。ユトレヒト条約で、ミラノ・マントヴァ両公国、ナポリ王国、サルデーニャがオーストリアに帰属することになる。

ファルネーゼ家のエリザベッタが、1714年スペインのフェリペ5世と結婚する。イタリア出身のエリザベッタは、自分の王子たちがイタリア領を確保することを望み、遠征軍をたてて、サルデーニャとシチリアを奪う。しかし、この行動は列強の干渉を呼び、スペインは両島を手放す。

その後、1733年、ポーランド継承戦争がおこり、フランス王ルイ15世は、オーストリアに対抗するために、スペインにナポリ・シチリア両王国を与えることを約束した。

1738年のヴィーン条約により、スペインのドン・カルロスは、中部イタリアをオーストリアに譲るかわりに、ナポリ・シチリアの王として正式に認められる。

その後、フェルディナンド4世のときに、両シチリア王国となる。フランチェスコ1世(在位1825-30)、フェルディナンド2世(1830-59)、フランチェスコ2世(1859-61年から亡命)、アルフォンソ(カストロ公爵1894-1934)、ラニエリ(カストロ公爵1960-66)、フェルディナンド(カストロ公爵1966- )と続き1963年生まれのカルロは、カラブリア公爵で、王位継承権を持つ王子(principe ereditario)である。ただし、両シチリア王国というものは、消滅しているのだから、王家の当主になる継承権を持っていると言ったほうがより正確だろう。

カルロは、二重国籍を持っている。フランス生まれでフランス国籍を持ち、ついでイタリア国籍も取得している。

カルロの南部銀行名誉総裁就任には、批判的な人もいる。両シチリア王国は、サヴォイア家に征服された側であるから、不思議なことではないが、カルロはリソルジメントおよび統一イタリアに強く批判的であったからだという。

南部の復興、活性化に期待をこめて、旧王家の末裔を名誉総裁に迎え入れる効果は、どれほどのものだろうか?

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