教会内の政治動向ー(1)中道左派
カトリック教会内の政治傾向を図示し、簡潔な解説がのったので紹介する(コリエレ・デッラ・セーラ、3月21日)。
図表の製作はコリエレ・デッラ・セーラ紙。大きく三つにわけられ、中道左派の領域、どちらにも与しない、中道右派の領域となっている。ただし、あくまでも教会内の中道左派より、中道右派よりであって、イタリア政治におけるそれとぴったり一致するわけではない。
1.中道左派の領域
その中に4つのグループがある。
左から Acli, Scout Agesci, Pax Christi,Paoliniと Famiglia Cristiana である。
Acli (Associazioni cristiane lavoratori italiani) はイタリア・キリスト教労働者協会で1944年設立の団体。余暇活動を組織しているが、この協会の長は、マルゲリータ党(中道左派)から立候補するために辞任したばかりである。
Scout Agesci(Associazione Guide e Scout Cattolici italiani) は、いわゆるボーイスカウトのスカウトで、もともとは1910年にトスカーナのバーニ・ディ・ルッカとジェノヴァで始った。今の組織体になったのは、1974年のこと。現在の会員は17万人強。前幹部のクリスティーナ・デ・ルーカは、マルゲリータ党から立候補している。
Pax Christi は、世界的な平和運動を推進するグループでイタリアのそれは1954年に誕生した。最近、フォルツァ・イタリア党のボンディ議員の教区司祭への手紙に対し、激しく反応した。会長のトンマーゾ・ヴァレンティネッティ司教が、「我々を買おうとなさいますな」と苦言を呈した。
Paolini は聖パオロ会または聖パオロ修道会、Famiglia Cristiana はその週刊誌であるが、どちらもジャーコモ・アルベリオーネ神父によって創始された。「ファミリア・クリスティアーナ」誌は、社説で、「誰も、キリスト教の価値を独占することは出来ない」とし、ベルルスコーニは、「ドン・ストゥルツォ(人民党創設者)以来、カトリック政治家に共通する性格をまったく持っていない」と批判した。
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