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2006年3月 5日 (日)

大統領職の変容

イタリアの大統領の役割がどう変わってきたかを論じた本『クィリナーレ宮の戦い』が出版された(コリエレ・デッラ・セーラ、2月27日)。

著者は、コリエレ・デッラ・セーラの大統領官邸への特派員マルツィオ・ブレーダ。タイトルは、La guerra del Quirinale(Garzanti)。クィリナーレ宮は大統領官邸である。

この本では、直近の3人の大統領、コッシーガ、スカルファロ、チャンピを中心に扱っている。

何故この三人か、には理由がある。冷戦が終わり、イタリア共産党の危機および「要素K」(共産党が野党第一党だが、政権交代は出来ない状態にあること)の終焉が、イタリアの政治的パノラマを変えるであろうことを、コッシーガは理解したのだ。

コッシーガはそこから、イタリア憲法が古くなっており、見直しが必要だと考えた。

彼の後継者オスカー・ルイジ・スカルファロは、1992年に就任したが、ミラノ検察局がマーニ・プリーテで、何百人という政治家を捜査し、マフィアがファルコーネ判事を殺害した年である。

スカルファロは5人の首相を任命したが、そのうち3人は彼が選ばなければならなかった。議会が多数派から首相候補を選出するように機能していなかったからだ。

チャンピは、任期前半はともかく、2001年にベルルスコーニ政権となってからは、「反権力」の立場に立たざるをえないことが何度かあった。

要するに、昔の大統領は、象徴的な権威でよかったのだが、冷戦が終わって、コッシーガ大統領以降、大統領の果たすべき役割が変わってきて、首相との緊張関係が強いものとなることがままある(もっとも、以前の大統領にも、与党の反対を押し切って首相を任命した人はいる)。

しかし、イタリア憲法で定められた大統領の役割には曖昧なところがあり、さまざまな解釈の余地があるのだ。

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