ベネデット16世、教皇の三重冠を紋章に使用せず
ベネデット16世が、教皇の三重冠を自らの紋章に使用しない初の教皇となった(コリエレ・デッラ・セーラ、3月17日)。
教皇の三重冠は、前の千年期には、各教皇の紋章に、ずっと使用され続けてきた。パオロ6世(在位1963-1978)が戴冠式のときに被ったのを最後に、実際に被られることはなくなり、紋章上にのみ、生き残っていたのである。
ベネデット16世は、紋章からも三重冠をなくし、そのかわりに司教冠(ミトラ)に置き換えることにした。
三重冠は、宝石がベルトのように並ぶ帯が三重になっているが、一番下の帯が最も古い。ただし、これを導入した教皇がだれかははっきりしない。シンマコ(シマンクス)(在位498-514)、あるいはレオーネ(レオ)3世(在位795-816)、あるいはニッコロ(ニコラウス)1世(在位858-867)のいずれかであるらしい。もっとも伝説では、コンスタンティヌス帝が、シルヴェストロ1世(314-335)に授けたことになっている。
真ん中の帯状の部分は、ボニファーチョ8世(1294-1303)によって付け加えられた。
一番上の帯状の部分は、クレメンテ5世(1305-1314)によって付加された。
この三重冠は、教皇の三重の権力、「王侯の父、世界の統治者、地上におけるキリストの代理人」を表わしているという。また、別の解釈では、戦い、苦しみ、勝ち誇る教会を表わしているのだという。
教皇冠の写真は
http://www.vatican.va/news_services/press/documentazione/documents/sp_ss_scv/insigne/triregno_it.html
で見ることができます。
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