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2006年2月23日 (木)

イタリアとノーベル文学賞

スウェーデンのノーベル・アカデミーに近いエンリコ・ティオッツォがノーベル賞選定の舞台裏を語った(コリエレ・デッラ・セーラ、2月17日)。

彼によると、「わが国(イタリア)は、文化にせよ政治にせよ、まったく間違っている。ストックホルムにおけるイタリアのイメージは、歪められているし、矛盾したものとなっている」

ティオッツォは、最も非難すべきなのは、スウェーデンには、ひとつもイタリア文学の講座が大学にないことだ、と指摘している。

この点に関しては、イタリアの外務大臣、文科大臣の責任が重いとしている。大使館やイタリア文化会館(大使館の文化部)を通じて、圧力をかけるべきだというのだ。

さらに、イタリアがこれまでノーベル文学賞を6人輩出しているのは、偶然によるところが大きい。6人とは、ジョズエ・カルドゥッチ(1906、詩人)、グラツィア・デレッダ(1916、小説家)、ルイジ・ピランデッロ(1934、劇作家・小説家)、サルヴァトーレ・クァジーモド(1959、詩人)、エウジェーニオ・モンターレ(1975、詩人)、ダリオ・フォ(1997、劇作家)である。

ティオッツォによると、1921年から81年、60年の長きにわたって、Anders Osterling(Oはウムラウトが上に付く)という人が委員にいて、その人がイタリア文学を愛し、かつ、クァジーモドとモンターレの詩作品のスウェーデン語への翻訳者であるという幸運にめぐまれたから、受賞者がこれだけ出たのだ。

Osterlingがいなかったら、イタリアのノーベル文学賞受賞者はカルドゥッチで止まっていたかもしれない、というのだ。

イタリアの側は、長年にわたって、無名の人を推薦してきた。例にあがっているのは、アンジェロ・デ・グベルナティス、サルヴァトーレ・ファリーナ、ドーラ・メレガーリ、ロベルト・ブラッコであるが、決して有名とはいえないし、文学史でも高い評価を与えられてはいないと言ってよいだろう。

それに対し、ダンヌンツィオ、パスコリ、ヴェルガ、カプアーナ、デ・ロベルト、パヴェーゼ、ヴィットリーニ、ガッダのように海外でも知られている作家・詩人が推薦されてこなかったのである。

オリンピックではないが、力のある候補者を推薦しなければ、レースで勝つことはむずかしい、ということだろうか。

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