イタリア、麻薬の規制強化
イタリアで麻薬の取締りを強化する法案が上院を通過し、下院にかけられる(コリエレ・デッラ・セーラ、1月27日)。
この法案によると、麻薬にソフト・ドラッグとハード・ドラッグの区別がなくなる。ヘロイン、大麻、コカイン、LSD、エクスタシーどれもが麻薬というくくりになる。
ただし、マリファナの巻きたばこ一本で刑務所に入れるというつもりはないのだが、法案では「個人的使用」については触れられていない。それについては、保健省の通達で規定する予定で、予想では、
10-20本の巻きたばこ
4-6回分のコカイン
8袋のヘロイン
3-4錠のエクスタシー
となる模様。
これを越えている場合、売人としてであれ、消費者としてであれ、罰せられる。
売人の場合、懲役6-20年。罰金2万6千から26万ユーロ。個人的使用の目的でなく、買ったり、保有するものもこれに同じ。
消費者は、運転免許の取り消しから、パスポートの停止、再犯の場合には、週に二回警察に出頭の義務まである。
ただし、懲役6年以下の薬物中毒者には、刑務所にかわる選択肢も認められる。公的サービスのもとで、または認証された私立の施設で、治療プログラムをうける。公益になる労働、自宅監禁。
私立の施設というのは、Sert(Servizio tossicodipendenze)と呼ばれるもので、ある種のコミュニティーを作って、薬物中毒者の更生をはかっている。このような施設はイタリアに約500あるという。
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コメント
イタリアでは麻薬が横行しているのですか?更生施設が500と聞くととても多いように感じてちょっと怖くなりました。
投稿: azusa | 2006年2月 2日 (木) 01時19分
そうですね。僕もこの分野、まったく詳しくないのですが、口コミレベルで聞くかぎり、日本よりは広まっているようです。
公園などに、使用済みの注射器などが棄ててあって子供がさわったら危ないという話を聞いたことがあります。
麻薬の売買は、犯罪組織(マフィア、カモッラ、ンドランゲタなど)の重要な資金源ですから、彼らの勢力消長と関わりが深いでしょう。
また、その背景にある南部で著しい失業問題(まともな職につけなくて、麻薬の売人という非合法な稼ぎ方に流れてしまう若者がいる)とも絡んでいると思います。
また、ヘロイン、コカインの密輸に関しては、犯罪組織とアルバニア人など外国人との連携も見られるようです。
投稿: panterino | 2006年2月 2日 (木) 10時44分