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2005年12月 9日 (金)

中道左派の経済政策(2)ーフレクシキュリティ

中道左派の経済政策の中で、目を引くのが、デンマークをモデル化した考え方である。キーワードは、Flexicurity(フレクシキュリティ)、柔軟保障とでも訳すのだろうか(コリエレ・デッラ・セーラ、11月29日)。

デンマークのシステムでは、まず、解雇が非常に簡単なのだ。解雇の5日前に通告すればよい。そんなに突然解雇されたら途方にくれると思うが、失業補償が70%から90%あり、給付期間も最長では4年間におよぶ。

さらに解雇から3ヶ月以内に、労働関係のお役所が、その人にあわせた job plan つまり、再雇用の計画を用意してくれる。それに対し、労働者は、解雇からおそくとも一年以内に、仕事に応募するか、新たな仕事につくための訓練・教育につくと申し出なければならない。

これはつまり、企業が競争力を獲得するための柔軟性と、福祉国家が補助する労働者への保障が、結びついたものである。柔軟性と保障で、フレクシキュリティ、というわけだ。

これを推進しているのはデンマークなのだが、デンマークの例を中道左派は研究しているのである。中道左派にとっては、労働市場の諸問題(労働者は、市場の非正規雇用化を嘆いている)の解決をめざしてのことだ。

デンマークでは、男女ほとんど差がなく80%の人が働き、4人に1人は、毎年転職するという。

こういった研究結果はまもなく、グラムシ研究所のパオロ・ボリオーニ、ティツィアーノ・トレウ、チェーザレ・ダミアーノによってまとめられる。

デンマークの例は、アメリカの経済学者ジョゼフ・スティグリッツなどもアメリカ型の経済に対抗するモデルと考えている。

ただしイタリアとデンマークの主な違いが4つある。(1)イタリアの人口5700万に対し、デンマークは530万人。(2)国家財政の健全性(デンマーク)。(3)平均した教育程度の高さが再雇用を容易にしている(デンマーク)。(4)家庭や母親を支援する政策(デンマーク)

イタリアは、デンマークとのシステムの違いを認識しつつも、一歩一歩、始めなければいけないというのが、ボリオーニの考えである。

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