ヘンツェのオペラ
ヘンツェのオペラ『若い恋人たちへのエレジー』が、作曲家の80歳を記念してアンコーナで上演される(コリエレ・デッラ・セーラ、12月6日)。
『若い恋人たちへのエレジー』(伊:Elegia per giovani amanti,英:Elegy for Young Lovers)(1953)は、若き日のヘンツェ、第5作めのオペラ作品であった。台本は、W.H.オーデンとチェスター・コールマンで、詩人としては、オーデンは言うまでもなく世界的な詩人であるが、コールマンはむしろオーデンの恋人として見られてきた。
オーデンとコールマンは、これよりも前に、ストラヴィンスキーのためにオペラ『放蕩者のなりゆき』(1951)の台本をものしている。
ヘンツェの作品は1961年のシュヴェツィンゲン音楽祭のために書かれたものである。ヘンツェは20世紀のオペラ作家として、リヒャルト・シュトラウス、ベルク、ブリテン、プーランクに並ぶ存在と考えられている。
ヘンツェは1926年ドイツの生まれだが、戦後のドイツおよびドイツ社会に嫌気がさして、1953年からイスキア島に移住し、そこでオーデンに出会ったようだ。
オーデンはイギリス人だが、アメリカに帰化していた。1948年以来、夏休みには、イタリアのナポリ湾にうかぶイスキア島のフォーリオという町で過ごした。恋人のコールマンと一緒にである。イスキア島は、同性愛者にとっての隠れ家的な場所であったらしい。
ストーリーは、ミッテンホーファというエゴイスティックな詩人が、ヒルダという女性の幻想(40年前に新婚旅行の時に、山に向かったまま行方不明になった夫の声を聞くという幻想)を利用して・・・という芸術家の人生との関わりがまるでjそこからエキスを吸い取る吸血鬼のようだ、という話である。
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