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2005年11月19日 (土)

妊娠中絶薬をめぐって

イタリアで、妊娠中絶薬Ru486の実験的使用をめぐって、政治家をふくむ論争がおこっている(コリエレ・デッラ・セーラ、11月13,14日)。

そもそもRu486とは、フランスで1980年代に開発された薬で、開発者はエティエンヌ・エミール・ボーリュ教授。最初の被験者は、ジュネーブの女性看護士で、1981年のことであった。

Ru486は、化学的に(外科的にではなく)妊娠を中絶させる薬である。成分は、ミフェプリストンで、ミフェプリストンとは、黄体ホルモン受容体阻害薬である。

つまり、受精卵が生き延びるためには、黄体ホルモンが必要なのだが、その薬は黄体ホルモンを受容するのを妨げるらしい。

Ru486は、妊娠から49日以内に服用されねばならず、効果は直接、受精卵に及ぶとのこと。

この薬、フランスでは、薬局で入手でき、イギリスでは、コンサルタントのもとで入手できる。スウェーデン、ドイツ、オーストリア、スペインで合法化されている。

イタリアでは、トリノのサンタンナ病院で、最初に使用された。この薬は、イタリアでは登録されていないので、婦人科のシルヴィオ・ヴィアーレ医師は、実験申請の道をとり、昨年9月から開始した。

それをストラーチェ厚生相がストップさせたが、11月7日実験を再開したというのが、イタリアでの騒ぎの発端である。

ストラーチェ大臣は、そこに「家庭コンサルタント consultore familiare」(これがどういうものか、筆者は残念ながら知りません)の改革をからめ、これをカトリック系の Movimento per la vita (いわゆるプロ・ライフ、中絶反対の立場です)のボランティアにやってもらおうという案を出した。

これは、中道右派やカトリック系の人たちからは多くの支持を得た。

しかし、さまざまな方向から反対も出ている。左翼民主主義者(旧左翼民主党)の厚生問題担当のリヴィア・トゥルコは、たった一つの団体に、大臣が公的サービスを委託するのは、聞いたことがない、と批判。

また、右派の中でも、女性議員、アレッサンドラ・ムッソリーニ女史は、「妊娠で悩んでいる人には、心理的支援が必要だ。心理的なテロリズムではない」と手厳しい。

この間、この薬の使用を認める州は、ピエモンテ、トスカーナ、リグーリアと増えている。ただしこれは、あくまでも病院の医師の管理のもとでの使用である。

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