セルジョ・チッティ逝く
セルジョ・チッティが10月11日亡くなった。(コリエレ・デッラ・セーラ、10月12日)
セルジョ・チッティは、兄弟のフランコとともにパゾリーニとの縁が深い。フランコ・チッティは言うまでもなく、パゾリーニのデビュー作「アッカトーネ」をはじめとして、彼の主要作で主役を演じている。
一方、セルジョは、パゾリーニがローマの下町(ティブルティーナ周辺)を舞台にした下層無産階級の生き様を描いた小説を書いたり、映画を作るさいに、彼らの特徴的な言葉使い(方言といってもよいだろう)をパゾリーニに伝授した。
セルジョがローマの下町の言葉を伝授したのは、パゾリーニだけではなく、フェリーニの「カビリアの夜」、ベルトルッチの初期の作品「殺し」(ちなみにパゾリーニの原案をもとに、チッティとベルトルッチが脚本を書いている)、ボロニーニの作品に対してである。
チッティは、その後、自らも監督となって映画をつくっているが、残念ながら、僕は一作も見ていない。日本で上映したことはあるのだろうか? デビュー作は「オスティア」。「カゾット」は傑作と称されているようだが。
また、コリエレ・デッラ・セーラで取り上げられているのは、パゾリーニを殺した真犯人を知っていると、チッティが生前語っていたことだ。これは同紙で以前に記事にもなっていたし、犯人とされ、服役もしたペロージも最近になって、自分が犯人ではないと、テレビ番組に出演して語ったのだ。
パゾリーニの死の謎は、いまだ藪の中と言えよう。
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